農家を訪ねて

農家を訪ねて

vol.04 桃

長野県内でも有数の果物の産地として知られる須坂市。扇状地で水はけのよい土壌、また降水量が少ないことから、果樹栽培にとって理想的な環境と言えます。中でも、豊かな自然が残る井上地区では桃の栽培が盛んです。

取材日:2022年7月5日

初夏の太陽が降り注ぎ、カッコーの鳴き声がこだまする中、桃農家の丸山さんを、青果部の山口が訪ねました。

集荷の打ち合わせ

「他の農家さんの話を聞いていると、今年は実が柔らかくなりやすいみたいだから、ちょっと堅めの段階での収穫は可能ですか?その方が、いい値段で買い手が付きそうなんです」
「どれも収穫時期が重なっちゃうね。よし分かった! 明日の朝4時半から収穫して、7時頃には出荷するよ。取りに来てくれる?」。

集荷の打ち合わせの一場面。忙しい時期に申し訳ないと思いながらも、早めの出荷をお願いしました。丹精込めて作っていただいた農産物を、市場での流通量が少なく需要が多い時期に高単価で出荷したいからです。現場でのコミュニケーションを大切に、農家さんとの信頼関係によって成り立つのが市場の仕事です。

桃
桃

10種類以上の品種を栽培

当社では、通年、桃の販売をしていますが、旬は8月から9月にかけて。丸山さんには、10種類以上の品種を出荷していただいています。

7月後半から盆前には、締まった肉質で明るい紅色の「あかつき」。

8月初めから盆過ぎには、長野市川中島町の品種「川中島白桃」。

その後は、黄色系の品種「黄金桃」「黄貴妃」と続き、9月下旬まで息をつく暇もありません。

品質と収穫量を確保するために

桃の栽培は、剪定(せんてい)や摘果(てっか)、袋掛け、薬剤散布など、その作業は多岐に渡ります。天候や病気などによっても出来が左右される難しさがあります。

昨年は、4月に3回も霜に当たって花が落ちて実が付かなかったり、せん孔細菌病のまん延で実に穴があいてしまったりも。品質と収穫量を確保するために、いつも腐心して栽培されています。

こうして農家さんが苦労して育てた農産物を、採れたての新鮮な状態で全国にお届けする。それが当社の役割です。

桃
桃

「自然の雨は偉大だよ」

「今年は6月に雨がぜんぜん降らなかったから小ぶりなんだ。1、2回でも雨が降れば、ぜんぜん違うのにな。散水しても、こうして日が照ってると、すぐに蒸発しちゃう。やっぱり自然の雨は偉大だよ」。

近年、須坂市では50代や60代で新規就農する方が増えています。いまでは、丸山さんの息子さんも一緒に、剪定や収穫作業に汗を流しています。若手農家の存在はとても頼もしいですね。いいものを、より良い状態、そしてより良い価格で取引するのが、当社の役割。末永く、おいしい果物を作り続けていただけるよう、当社も農家さんのことを真剣に考えます。

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