農家を訪ねて

農家を訪ねて

vol.01 きゅうり

一年中、スーパーで見かけるきゅうり。
夏野菜の代表格という印象が強くありますが、長野県でもビニールハウス栽培が盛んで、飯山中央市場ではほぼ一年中きゅうりの取り扱いがあります。
今日は小布施町できゅうりを育てる農家さんを訪ねしました。

取材日:2022年5月19日

皆さんは、寒い時期から長野県産の朝採れきゅうりが食べられるってご存知でしたか?
まだ雪の残る時期から、暖房を炊いて暖かくしたビニールハウスの中で、シャキッシャキのきゅうりが育てられています。だからこそ、冬でも美味しいきゅうりが食べられるのですね。

基本は土作り

「うちはね、なんと言っても『土』づくりなの。作付けする前に、しっかりと良い土をつくるのがまず大事。もう長いこときゅうりを育てているから、その経験で良い土を準備するの」

そう話すのは、きゅうりを育てて50年以上になるという川上さん。この日の収穫が一段落したお時間に伺いました。

収穫をしちゃったから、今日はあんまりもう成ってないの・・・と言いながら案内してくれたビニールハウスの中には、見渡す限りのびのびと育つきゅうりの弦に黄色の花をつけたきゅうりの赤ちゃんがたくさん成っていました。

きゅうり
きゅうり

収穫の時間も大切

「朝採りと夕採りだと水分量が違って、朝のほうがみずみずしいの。うちは朝に収穫して市場さんに持っていってもらっています」

川上さんのきゅうりは、濃い緑でとてもツヤツヤした印象を受け、固くないのにパリッとしていて歯ざわりが心地よい…そんな食感で人気があります。ご夫妻二人三脚で、その日の天候やきゅうりの様子を見ながら、ハウス内の温度・湿度を調整し、規格サイズまで育てて収穫しています。

取材日は急に、外気温が下がってしまった5月中旬。「昨日、暖房を止めっちゃったんだけど、今日は突然涼しくて・・・」と、きゅうりを見つめる眼差しは、まさに我が子を心配するよう。それだけ、日々しっかりときゅうりと向き合い対話を重ねて育てられているんだなということが伝わってきました。

大雪の日も、台風の日も、守ってきた

ハウス栽培というと、路地モノの野菜よりも災害等の被害が少なく安定した収穫ができそうと考えがちですが、雪害や台風被害には苦労したこともあったそう。

「記録的な台風が来たときなんかは、居てもたってもいられなくなって、ハウスを見に来たことも何回もあったし、大雪が降ってしまったときには、なんとかハウスが潰れないようにと、屋根のビニールを必死でカッターで切って、雪を落としたこともありました。お嫁にきてから、ずーっときゅうりを育てているけど、何度もそんな経験してきたんです。何があっても、おいしいきゅうりを育ててかなきゃいけないから」と、笑顔で話してくださいました。

きゅうり
きゅうり

いいものは、良い価格で

飯山中央市場では、契約農家さんからの野菜を早朝のうちに集荷に伺い、その日のうちに提携先の販売店に納品したり、競りにかけたりして、消費者の皆様のもとに届けられます。農家さんが美味しい状態で収穫したものを、できるだけいい状態で消費者の皆様に届けることが、市場の大きな役割でもあります。

営業の山倉は、「川上さんとは、当社の先々代の時代から、本当に長いおつきあいです。こうやって、丹精込めて作っている本当にいいものを、できるだけ農家さんにとっては良い価格で安定的に仕入れて、提携先に買っていただくことで、消費者の方に美味しい状態でこのきゅうりが提供されるといいなと思います」と話してくれました。

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