飯山市を代表する野菜といえば、緑色が鮮やかな「グリーンアスパラガス」。
アスパラガスの出荷量は長野県が全国2位。
その中でも飯山市は県内有数の産地です。
飯山市でアスパラガスを栽培する江口豊さんを、飯山中央市場 野菜部の渋川が訪ねました。
飯山産のアスパラガスは露地栽培が中心です。その特徴は、豊富な雪解け水によるミネラルたっぷりの地下水を吸い上げることで、みずみずしく根元まで柔らかいこと。
また、昼夜の大きな寒暖差によって、糖度が高く味の濃いアスパラガスに育つことです。そのため、県外からの引き合いも多くあります。
江口さんの収穫作業はまだ辺りが暗い朝の4時頃から始まります。アスパラガスの栽培を始めて約20年。現在は3町5反歩の広大な農地で栽培をしています。
出荷時期は、例年、ゴールデンウィーク明けから7月上旬頃まで。収穫したものの多くは飯山中央市場を通して、主に関西、中京、関東方面へ出荷しています。
「アスパラガスの栽培を始めた当時に比べると、下の方では病気が出るようになって、栽培する畑も少なくなったよ。連作障害の影響もあるのかな」
江口さんが栽培する羽広地域は標高が高く気温が低いことから病気になりにくく、現在でも盛んに栽培が行われています。アスパラガスが収穫できるようになるのは、作付けして3年目から。長期間収穫できるようになるまでには、じつに4年かかります。
何よりも気をつかうのは、種をまいてから収穫できるようになるまでの期間も含めて、病気にならないようにすることです。また、除草作業も一苦労です。
「今年は出始めは早かったけど、寒い日が多かったり霜が降りたりして、なかなか気温が安定しなくてね。そのせいで成長が遅れたり変形したりと、伸び悩んだ時期もあったけど、最終的な出荷量としては例年通りかな」
野菜の出荷は天候に大きく左右されるだけでなく、社会情勢の影響も受けます。最近では輸送費の高騰などで利益を確保するのは簡単ではありません。
しかしながら農家さんの苦労を知っているからこそ、なんとかしてお応えしたい。そんな思いで、できるだけ高く売れるように販売先と交渉しています。これからも農家さんと二人三脚で、飯山の誇れるアスパラガスを全国に届けていきたいです。