農家を訪ねて

農家を訪ねて

vol.05 ダイコン

かつては飯山市で盛んに栽培されていた「羽広山(はびろやま)ダイコン」。
栽培する農家が減り、一時は途絶えそうになりましたが、生産者の地域への思いがこのダイコンを復活させました。

取材日:2022年10月4日

飯山市で羽広山ダイコンを作る「江口ファーム」を、飯山中央市場 地方部の滝澤が訪ねました。

収穫の翌日には、お店の野菜売り場に

標高500メートル、飯山市の山間に広がるダイコン畑。いまにも降り出しそうな曇り空の下、収穫機が音を立てながらダイコンを掘り出していきます。 朝採りしたダイコンを毎日トラックで集荷に伺い、その日のうちに中京圏や関西圏を中心に出荷。翌朝には新鮮な状態でお店に並びます。 北海道や千葉はダイコンの大きな産地ですが、地理的に長野県は西日本に距離が近いことから、他の産地に比べて早く新鮮な状態で届けることができます。

リンゴ

“ダイコンで地域を盛り上げたい”

「ダイコンにストレスを与えないように気を遣ってるよ。ストレスがあると辛みが強くなるからね。うち独自の肥料で、栄養がたっぷり行き渡っているから葉っぱが太いんだ」。 そう話すのは、江口ファーム代表の江口崇介さん。お父様の農業を継いで今年で18年目。かつてはこの地で盛んに栽培されていた羽広山ダイコンですが、病害などの影響で栽培する農家が減少。 この特産野菜を復活させて地域を盛り上げたいとの思いで、江口さんは農業を始めました。

リンゴ

冷涼な気候がつくる甘みのあるダイコン

「辛味がなくて甘いのが特徴だよね。サラダでの生食もいけるし、煮物にしてもおいしい。あくが少ないから、あく抜きも必要ないんだ」。 甘みのあるダイコンは、飯山市の冷涼な気候が育てます。夏でも最低気温は20度以下、最高気温は35度まで上がり大きな寒暖差があります。冬になれば、数メートルも雪が積もる豪雪地帯なので、栽培できるのは7月から11月頃までです。

リンゴ

生産者さんと二人三脚で

江口ファームと当社とは、江口さんが農園を始めた当初からのお付き合いです。当社の先代が一緒にやろうと呼び掛け、これまで二人三脚で販路と栽培面積を拡大してきました。当初は一本一本手作業での収穫でしたが、いまでは収穫機を導入。数人で始めた農業もいまでは10人以上に増えました。栽培面積は3000アールまで広がり、飯山中央市場には年間約8万箱を出荷していただいています。 「うちのダイコンを待っているお客さんたちがいるからね。おれたちはとにかくそれに応えるだけ。飯山中央市場さんの発信でこのダイコンを全国に届けてほしいな」。 江口さんの思いが詰まった羽広山ダイコン。私たちの手で、その思いと一緒に全国に届けていきたいです。

リンゴ

お問い合わせ

各種お問い合わせ先のご案内・
市場見学申し込み・お問い合わせフォーム

お問い合わせ・見学申込